ヒヨドリ

当地は、このところ、曇天、雨天が続いていて、気温も下がっています。
10月になって、ヒヨドリが戻ってきました。
冬にはとくに、甲高い声で、せわしなく、ヒーヨ、ヒーヨと鳴きますが、いまはまだ、時折、声がする程度。
わが家のピラカンサ、ナンテン、マンリョウなどまだ熟していないのを知っていて、庭へ下りてはきません。
ピラカンサの実は有毒ですが、完熟すると毒が抜けるそうで、そんなことも知っているようです。その時季には、2、3日で食べ尽くします。

関東のヒヨドリは、地域によっては、留鳥と記されていることもありますが、夏は寒冷な山、冬は温暖な平地へと移動する漂鳥ではないかと思います。
わが家では、10数年前、山または北国へ戻らずに、夏に産卵して5羽孵化したことがありました。「落ちた雛は拾わない」が原則ですが、その頃は、猫がよく来ていましたので、巣から落ちた1羽は、愛犬が幼犬のときのケージに入れて、ベランダで数日保護しました。
そのときは、親鳥は、蝉やトンボを捕まえてきて、ケージの隙間から雛に給餌していました。

 
その鵯の雛たちが巣立ったハナミズキで、いまはキジバトが抱卵中
 
その思い出もあって、姿も声も行儀もいまひとつで、とりたてて慈しむ野鳥ではないのですが、冬になると訪ねてくるメジロにミカンを給餌する際、食べ残しはヒヨドリに片付けてもらっています。
雑食なので、昆虫も果実も、冬には、畑の野菜も食べていました。ブロッコリーの花蕾だけは、花が咲いてからと思っていたのか、幸い、食害に遇いませんでした。
 
この季節には、北海道からは大群で、ハヤブサなどの外敵から身を守りながら、津軽海峡の海面の波間を青森県の津軽半島や下北半島へと渡り、本州を南下するそうです。
また、本州から九州へも関門海峡を渡って、より温暖な地域へと移動する群れもいるそうです。
 
朝日新聞デジタルより 32秒

 
俳句:
 
鵯の こぼし去りぬる 実のあかき 与謝蕪村
飛び鳴きの 鵯(ひよ)や山川 晴るゝ空 松根東洋城
 
このほか、鴨たちは、日本海を渡って来つつある時節ですね。それも、今年生まれた若鳥もいっしょというのですから野の鳥はたくましいですね。
 
国境(くにざかい) いくつ越えしか 鴨来る 功雪(しらこばと)