「水辺のロマン花」 キタミソウ

前のサイトから転居してきて、目下、過去の記事を転記していますが、krinrinkaさまが、この記事を見つけて、スターをいただきました。Many thanks !
懐かしく思い出しながら、今日は、写真も記事ネタもないので、アレンジして、今日の記事とさせていただきます。
 
珍しい植物、水辺に生えている小さな植物をご紹介します。
当地、埼玉・越谷市には、キタミソウ(ゴマノハグサ科の一年草)という北方系の植物が自生しています。

ずいぶん昔、高校の先生が発見されました。どうして、この地に生えているのか?ですが、たぶん、渡り鳥、中でも、たちが、シベリアのツンドラ地帯から運んできて、適した環境で生き永らえたのでは?と推測しています。近隣の同じような環境の河川でもいまは、見つかっています。
 
北海道の北見地方で最初に発見されたのでこの名がついています。でも、北見地方では絶滅したそうです。あとは、熊本市の中心部の水前寺江津湖(阿蘇からの伏流水が湧き出て、水温が年を通じて19、20℃とのこと)にも自生しているそうです。
 
夏、冷涼でなければ、生きてゆけないのですが、当地の葛西用水は、田植え前から稲刈りの季節までは、下流の水門が閉じられて水が溜まり(そこで溜井とも呼ばれています)、上水(うわみず)が低地に流されて、田んぼを潤しています。
 
そこで、キタミソウは、夏の間は、水の底で暑さを凌いで、溜井の水が引くと、細くなった流れの水辺で、花芽をつけて、10~11月と3~4月に二度咲きます。
大きさの比較のために1円玉を置いて撮ったもの。へら状の葉の長さは、2~5cmです。このときは、花後、種がついているときでした。
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繁茂しているころ、そして、小さな花が咲いている3枚です。
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白い花の径は、2、3mm
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四半世紀ほど昔、新しい水門が造られた際、キタミソウの大移植が行なわれました。「そんな場所に、水の流れも作らないで、増えるものか」と冷ややかに見ていましたが、案の定、生育することはありませんでした。この石組もいまでは、土に埋もれています。
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自然界は微妙なバランスの上に成り立っています。やはり、人手を加えることなく、”野の花は野に置け”です。
 
熊本市の江津湖のキタミソウへリンクさせていただきます。