物忘れと認知症

あくまでも一般的な話で、個人差はありますが、加齢とともに、物忘れが多くなってきます。
 
今日は、物忘れと認知症のことを、経験談も踏まえて記します。かねて、下書きに、思い出しては書き留めていたものです。
ご関心がおありの方は、最後までお付き合いください。
 
物忘れを自覚している → 物忘れ
物忘れの自覚がない → 認知症
 
夕食に何を食べたのかを思い出せない → 物忘れ
食事した事実を思い出せない → 認知症

 

買い物に出かけ、何を買うのかを忘れる → 物忘れ
買い物に出かけ、途中で外出した理由を忘れる → 認知症
 
だそうです。
 
この程度にしておきますが、物忘れがひどくなり、認知症になる過程において、軽度認知障害という段階があるそうです。
 

なお、75歳からの運転免許証更新時の認知機能検査では・・・


1.4枚で、計16のイラストを見せられて、数分後に、「なにが描かれていましたか」にすべてを答えます。
2.今、何時何分ですと言われて、時計の円と文字盤と短針・長針を回答用紙に描きます。
3.病院の検査の場合には、斜め上から見た立方体と見えない部分の稜線を点線で描かされます。
 
65歳以上の高齢者のうち約4人に1人が"認知症予備軍"だそうです。
 
ここからは、経験談ですが、しらこばとは、独りになってから、(まだ、コロナ禍の前でしたが)家に閉じこもっていてはいけないと思い、ボランティアを始めました。
そこは、認知症の方のデイケア・サービスの施設で、(古希を過ぎて)3年間、週2日ながら、皆勤しました。
 
お客様(施設ご利用者)は、かなり入れ替わりがあり、デイケアから介護施設へ移られる方や亡くなられる方もいて、延べ100名以上の方々とお付き合いしてきました。
 
認知症といっても、症状は、百人百様でした。当方も高齢ながら、自分よりも若い人も何人もいました。
そのなかには、将棋のアマチュア五段の方がいらっしゃいました。しらこばとは、初段手前の二、三級程度ですが、やはり、いつも負けてばかりで、戦績は10敗して1勝程度でした。
そのように、認知症といっても、とくに初期段階では、とくに、長い人生の趣味や特技に関する脳内の記憶域は、失われず、そっくり残っている方が多くいらっしゃいました。
また、百名山の標高をすべて、すらすらと答える若年性認知症の方もいました。
 
身辺にそのような方がいらっしゃった場合の日々の対応ですが・・・ 周囲の接し方によって、進行をくいとどめることができます。
 
1.その方の話に耳を傾けて、話されることが、たとえ間違っていても、相槌を打ち、否定をしないことです。(否定されると、頭がこんがらがってしまわれます)
2.「なにかそこにいる」とおびえられたら、「なにもいないよ」ではなく、「いるいる、追っ払おうね」と言うこと。
3.いろいろ褒めること。(これは、認知症であろうとなかろうと、世渡りのコツですよね)
4.しっかりできなくなった人へ「しっかりしてよ」も禁句。
5.ごはんを食べたばかりなのに、「ごはんは」と言われたら、「食べたばかりじゃない」は禁句。小さなお菓子をあげること。嬉しそうな顔をされるはずです。
6.懐かしい思い出話は一番👍です。昔懐かしい歌をいっしょに歌ってあげるのもいいことです。認知症になっても、人の感性は、なかなか失われないものです。
7.落ち着きがなくなられたときは、肩をポンポンとたたいて、顔をみて、スマイルで、「大丈夫、大丈夫」と言うと、笑顔が返ってきます。
 
いつも優しく接していると、「あんたが一番」と言って、ファンになってくれて、顔を覚えてくれました。
「トイレ」と言われたら、男性であろうと女性であろうと、手を差し出して、連れていっていました。
サポートが要る人には、スタッフと交代していました。
一方、性的なことをいつも話したがる人もいましたが、そのときは、皆さんとは離れた場所でふたりっきりになって、話に付き合っていました。(笑)
 
まあ、なんでも、聞いてあげることです。それが、ケアですし、あの頃は、100人それぞれの方の人生というか、来し方を垣間見て、面白く楽しく、いい経験でした。
いまにして思えば、もっと続けていたらと思いますが、3年で、終わりにしました。
 
ブログの記事で、認知症を患われている身近な方がいらっしゃる話もありますが、自分もそうなる確率は4分の1です。
 
参考になるかどうかわかりませんが、経験談のほんのさわりを記しました。最後までお付き合いくださいましてありがとうございます。
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シルバー川柳:
 
どっこいしょ 何で立ったか もう忘れ 詠み人不詳
記憶なし 頭の中は 議員並み 同上
忘れたいことは忘れぬ 物忘れ 同上