名残の花ーフウラン(富貴蘭)

この夏は、株分けして2年目のフウラン(風蘭)(園芸名:富貴蘭)がよく咲きました。この花で終わりです。
5品種で、10数株を愛培しています。
これは、父遺愛のひと株を分けてもらって、およそ20年ほど。成長がなかなか遅い植物で、ようやく10株まで増えました。
無銘ですが、ふるさと、肥前の山採りなので、自分だけの仮称、”肥前フウラン”です。(苦笑)

山の樹木や岩に着生している植物ですが、江戸時代には、大名も慈しみ育てたといわれる古典園芸植物です。

夕刻になると、バニラのような甘い香りを漂わせます。

スミレにも短いのがありますが、花弁の後ろに伸びる長い”距”(きょ)に蜜腺があり、巧妙な仕掛けで、香りに誘われた夜行性の蛾などに受粉してもらっています。そして、よく観ると、ほとんど、ほぼ同じ向きに花が咲きます。

 
俳句:
 
風蘭に 隠れし風の 見えにけり 後藤比奈夫
 
風蘭や ほのかに匂ひて 誰を待つ 功雪(しらこばと)