矢切の渡し

久しぶりに県境を越えて、といっても、隣の三郷市の隣の千葉・松戸市まで、東京外環道を利用するまでもなく、外環の真下を走る国道298号線を、片道45分のドライブで、「矢切の渡し」まで行ってきました。
駐車場に車を停めて、土手を越えて、渡し場まで、往復してきました。
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土手への上り口にある、やきり観光案内所「野菊の蔵」です。密を避けて、案内所には寄らず、外から撮っただけです。
 
本当の地名は、”やきり”なんです。戦国時代の合戦で、南総里見八犬伝にいわれのある里見方が、矢が切れて負けて、「やきれ」→「やきり」→「やぎり」となったのだとか。
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千葉・山武市(さんむし)出身の伊藤左千夫の小説、少年・政夫と2歳年上の従姉、民子との淡い恋を描いた「野菊の墓」の舞台となったのが、この矢切付近で、矢切の渡しは、政夫と民子の最後の別れの場となったところです。
 
初刊本の復刻版(My蔵書)です。
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階段を上がると、この彫刻石があります。これには、”日本音風景百選”と刻されています。音といえば、揚げ雲雀のさえずりが響き渡っていました。
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石には、いくつも穴が開けられています。風が通ると音が鳴るのかな??
小さな風穴にカメラを置いて、のぞき見をして、シャッターを押したその瞬間に、なんとも、ロードバイク(自転車)で、土手を走っている人が、ばっちり、画角に入ってしまいました。👍
対岸の土手の向こうには、寅さんのふるさと、帝釈天と参道があります。
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魚釣りの少年像が立っています。
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対岸をパノラマで撮ってみました。左には、東京スカイツリーがかすんで見えました。手前は、河川敷のゴルフコースです。
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渡し場の周りは、整備されていなくて、名所らしき被写体はなにもなく、この2枚だけです。細川たかしの「矢切の渡し」の碑も少し汚れを落としてから撮りました。(笑)
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いつもは、渡し舟で往復するのですが、昨日は、川面とはいえ、3密を避けて、乗りませんでした。
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渡し場の説明板によると、江戸時代には、江戸川に架かる橋はひとつもなく40ほどの渡しがあって、この矢切の渡しは、両岸に田畑をもつ農民のための渡しだったそうです。
 
短歌:
 
豊かなる 江戸川沿ひの 矢切の地 左千夫の恋の 文学かをる 窪田文雄(矢切の里文学祭・初恋短歌大賞作品)