椿の花

埼玉県花と緑の振興センターのサイトを見ると、サザンカツバキを合わせると500品種ほども植栽されていて、早咲きの品種のツバキは、サザンカと競うように、晩秋から咲いていましたが、ほとんどの椿は、文字通り、春の花ですね。
 
これは、もう少し早く咲き始めてもよさそうな名の(笑)、「元日」(名札は元旦となっていましたが、正しくは元日でしょう) 蕊がきれいな輪になっている輪蕊のツバキです。
椿の花_e0413146_14394155.jpg
これは、「ベニワビスケ(紅侘助)」。名札には、英字の表示もあり、それによると、Camellia Japonica(=ヤブツバキ) X Camellia wabisuke(=ワビスケ)と記されていて、交雑種です。たしかに、猪口咲きで真っ赤で、両者の特徴をもちあわせています。
椿の花_e0413146_14394119.jpg
なお、Camellia Japonicaは、いまのようないろいろな品種がないときに命名されて、ヤブツバキや近縁のユキツバキに充てられたようですが、いまは、すべてのツバキの学名です。
 
Camelliaは、チェコスロバキア(当時はボヘミア王国)からマニラに宣教師として来ていたイエズス会のジョセフ・カメル氏が、植物学者でもあり、東洋の植物を欧州に紹介したので、のちに、彼の名に因んで命名されたのだそうです。かのシーボルトの名も同じように、日本の動植物の学名に付されていますね。
センターには、その後、欧州で改良・作出されて、里帰りした品種もたくさんあります。でも、花は、バタ臭い(=西洋風)ように思えて好きな品種はありません。(苦笑)
 
Japonicaは”日本の”という意味。日本原産で、中国の椿はまったくの別種なので、”椿”は日本の国字(国訓)だといわれていますね。なお、サザンカは、Camellia sasanqua(サザンカ)だそうです。
 
話を戻して、これは、「玉川」です。
椿の花_e0413146_14582087.jpg
こちらは、「アカコシミノ(赤腰蓑)」という品種で、一重で、内側が唐子咲きといって、唐子弁が折り重なるように咲いています。蕊は、隠れていて見えません。
椿の花_e0413146_15084538.jpg
これは、お馴染みの乙女椿ですが、正確には、Camellia Japonica ”Otome”で、品種名は「乙女」です。
この花は、花芯が退化していて、雄蕊はまったくなくて、実もできないそうです。だから、乙女なのかは、存じませぬ。(笑)
椿の花_e0413146_15201288.jpg
 
今日の名言:
 
どんな場所に置かれても、不満を持たず、諦めずに自分の花を咲かせようと精いっぱい生きる。すると自分も周囲の人々も幸せになれる。 渡辺和子(ノートルダム清心学園理事長、2016年帰天)