春宵一刻直千金

「春夜」 蘇軾

春宵一刻直千金
花有清香月有陰
歌管楼台声細細
鞦韆院落夜沈沈
 
春宵(しゅんしょう)一刻(いっこく)(あたい)千金(せんきん)
花に清香(せいこう)有り月に陰有り
歌管(かかん)楼台(ろうだい)声細細(さいさい)
鞦韆(しゅうせん)院落(いんらく)夜沈沈(ちんちん)

 

春の宵のひと時は、千金にも値するものだ。
花は清らかな香が漂い、月はおぼろにかすみ、
楼台の歌と管弦の音はかすかに響き、
ブランコの置かれた中庭で、夜は静かにふけていく。
 
 値と同じ
歌管: 歌声や管弦
鞦韆:ブランコ
院落:中庭
沈沈:夜が静かにふけてゆくさま

 

蘇軾(そ しょく)蘇東坡(そとうば)とも呼ばれた。中国北宋の政治家、宋代きっての文豪、書家、画家。
 
今夜は、雲の随に(まにまに)春の十五夜の朧月(おぼろづき)が見えました。その月と雲を重ねて撮ろうとしましたが、両者の光量が違って、うまく撮れませんでした。力量不足か?、カメラのせいか?(苦笑)
雲の切れ目で撮った1枚です。証拠写真・・・(笑)
和歌&俳句: 
 
照りもせず 曇りも果てぬ 春の夜の 朧月夜に しくものぞなき 大江千里(新古今和歌集)
 
外にも出よ 触るるばかりに 春の月 中村汀女
 
今日の名言:
 
天下のこと、もと順逆なく、わが心に順逆あり 佐藤一斎(美濃国岩村藩出身の儒学者) 言志耋録(四録)133条より

 

順境や逆境は自分の外にあるのではなく、自分の内にあるということ。